夢@Asaheim

□05
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「先生……すごく、苦しかったんですね。」

小さく呟くと、部屋のドアが開いて宮田が入ってきた。

「芽衣……さん?」

振り返った初音の顔を見て、宮田はすぐに顔色を変えた。

「どうしたんですか!?芽衣さんっ!!!」

声をあらげた宮田が、芽衣の肩を掴む。
その時、芽衣は鋭く叫んだ。

「宮田先生っ!!!だめっ、今私にさわらないで!!!」

その叫びは、虚しく終わった。

過去視を使用した後は、自分が不安定なのだ。
そんな時に誰かに触れられてしまえば、触れられた人と過去を共有する。
しかも共有するのは、自分の過去。

「や、やだ………っ!!!」

誰にも、私の過去を、教えたくないのに……。

芽衣は涙を流した。
現在という時は、セピア色に押し流されていくのだった。
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