夢@Asaheim

□My teacher!
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私は今年、城聖大学で4年生を迎えた。
ゼミは変わらず竹内ゼミ。
依子ちゃんと一緒で、他に同じ学年のゼミ生はいないのはおろか、後輩すらいない。

他の先生に竹内ゼミだと言うと、少し煙たがられる。
竹内先生って、そんなに嫌われてるのかなって、ちょっと不思議に思う。
依子ちゃんは、竹内先生にぞっこんなんだけど……。

「芽衣ちゃん、竹内先生のとこ行こ!!!
無事に進級しましたーって、報告しなきゃ!!!」

浮き足だっている依子ちゃんに苦笑しながら、私は一緒に研究室に向かった。

「せんせぇ〜、安野と黒川ですぅ〜!!!」

猫なで声で依子ちゃんが言った。
中でゆらりと影が動いて、ドアが開く。
依子ちゃんがすかさず部屋に入った。
まだ「入っていい」とは言われてないのにな……。

竹内先生のため息が聞こえて、私は先生を見た。
ちょこちょこと手招きしていたので、私も依子ちゃんに続いて部屋に入った。

乱雑に積まれた本の山。
古い資料とかもあって、少し埃臭い。
「せんせえー、掃除しましょうよ。」なんて、依子ちゃんの声がした。

依子ちゃん、本題を忘れてる……なんて思ったら、背を向けていた先生が振り返った。

「安野、すまないが学生課に行って、届いた資料を取ってきてくれないか?」

「えー!?私がですかぁ〜?」

ムスッと依子ちゃんは拗ねる。
「じゃあ私が……」そう言いかけるのと同時に、先生が口を開いた。
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