夢@Asaheim

□時間の箱庭
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恭也と美耶子さんの背中を、私は必死に追いかけた。

薄暗い中、山道を駆けていく私たち。
恭也が美耶子さんの手を取って、上に引っ張りあげる。
二人が手を繋いだ瞬間、私の心は少しだけ痛んだ。

美耶子さんと出会ってから、恭也は何かと彼女を気づかっている。
目が見えないのだから仕方ないと思う反面、彼女がズルイと思った。

恭也は私の彼氏なのに……。

「おわっ!!!」

「きゃっ!!!」

段差の上から声がして、私は顔を上げた。
美耶子さんを引き上げた反動で、二人はバランスを崩したらしい。
恭也の上に、美耶子さんが乗っていた。

「いてて……。大丈夫か?美耶子。」

「大丈夫。しっかり支えてろ、グス。」

「お前なぁ……。」

そこで二人は笑い合った。
私はなんだか、疎外感を感じる。
次に私を引き上げようとした恭也の手を振り払い、私は元来た道を全速力で駆け抜けた。

「お……おい!!!どこ行くんだよ芽衣っ!!!」

振り返らなかった。
嫉妬の涙を、恭也に見せたくはなかったから。
こんな辛い思い、何度すればいいの?
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