夢@Asaheim
□赤が交じる
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「芽衣、お前と離れるなんて嫌だから。
俺だけが不死身なんて、そんなの嫌だ。だから……俺と同じになって欲しい。」
そのまま傷のついた手のひら同士を絡め合う。
愛し合う時のように、ゆっくりと。
傷と傷が重なりあい、芽衣の綺麗な赤と、俺の赤が混じりあう。
「恭也……。大丈夫だよ、私はずっと、恭也と一緒にいるから。」
芽衣は笑った。自分勝手な俺に、文句一つ言わず。
俺の血が混ざるとどうなるか、知っているはずなのに……。
「芽衣、ごめんな。」
「ううん。いいの。恭也と同じになれたんだから。恭也、好き……。」
芽衣がそっと、目を閉じた。
その仕草で、俺は抑えがきかなくなる。
初音を押し倒し、唇を重ねた。何度も何度も角度を変えて。
時には激しく、時には軽く、ついばむように……。
紡ぐ言葉は、彼女の名前ばかり。
唇を離したとき、芽衣が小さく呟いた。
「ありがとう、恭也。」
俺の下で、芽衣が柔らかく微笑んだ。
手のひらがさらに密着し、彼女の細い指が絡んでくる。
あぁ、赤が……混じる。
俺と芽衣の赤……。
そして彼女は俺と同じになる。
赤が交じる
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