夢@Asaheim

□あなたのお相手が、私ならばよかったのに
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一般病室を抜ける時、会う人会う人に「求導師様!!!」と言われた。
みんな笑顔で頭を下げてくる。
この閉鎖的な村では、私の存在は彼らよりはるかに高い場所にある。
それが私にとっては重荷だった。
私なんて、何もできないただの求導師なのに……。

病室を抜け、一つの部屋の前にたどり着く。
深呼吸して、ドアをノックした。
中から可愛らしい声が聞こえたので、私はドアを開けた。

「まぁ……求導師様。」

本を持ったまま、この部屋の主である神代芽衣が驚いていた。
手には難しいタイトルの本が握られていて、すぐに誰のものか分かった。

「お久しぶりですね。お元気そうで何よりです。」

彼女の近くに座ると、芽衣さんは私のほうを向く。
一瞬だけ笑ったけど、そのあと表情が強ばった。

「えぇ。何も変わりませんよ。求導師様、神代の命令で来たんですか?」

「いえ……。」

「それでは、求導女様が何かおっしゃられて?」

じっと芽衣さんは私のほうを伺っている。
彼女は昔から、神代も求導女である八尾さんのことも嫌いのようだ。

「いえ……。
ただ、私が芽衣さんのお見舞いに行きたかっただけで……。」

そう言えば、彼女の緊張が緩んだ。

「疑ってすみません。
求導師様は優しい方って分かってるけど、神代と繋がってるから……。」
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