夢@Asaheim
□命をかけてもいいくらい
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宮田は靴を脱ぎ、芽衣のベッドに上がった。
二人分の体重が乗ったベッドが、ギシリと音をたてる。
芽衣は眉間に皺をよせて言葉を吐いた。
「……本当、神代の家は嫌い。
自分たちは手を汚さず、他の人に手を汚させるなんて……。」
「仕方ないさ。神代はこの村の権力者だからな。
神代自身が手を汚すのはまずいのさ。」
宮田はそう告げてから、芽衣の腕を引っ張った。
彼女の体がベッドに沈み、宮田は馬乗りになる。
「そんなことよりも、今夜、付き合ってくれるか?」
「もう。本当にいけないお医者さん。先生、明日も仕事でしょ?」
芽衣は下から宮田を見る。
彼は少しだけ口の端を上げ、芽衣に覆い被さって答えた。
「残念ながら、明日は休みだ。
なぁ芽衣、お前はいつまで俺のことを『先生』って呼ぶつもりだ?」
宮田は優しく芽衣の頬を撫でた。
ゆるりと彼女の表情が和らぎ、赤い唇が名前を紡ぐ。
「司郎さん。」
それを合図に、宮田は激しく芽衣の唇を奪った。
宮田にとって、初音は本当に大事な存在。
自分の命をかけてもいいくらい……。
あぁ、こういう存在のことを、なんて言うんだったっけな。
「ねえ司郎さん。私達、恋人同士?」
芽衣の濡れた唇が言葉を紡ぎだす。
肌に触れながら宮田は優しく笑った。
そうだ、恋人同士っていうんだったな。
宮田は頷いてから、再び芽衣の唇を奪うのだった。
命をかけてもいいくらい
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