夢@Asaheim
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「宮田……先生?」
どこかで女の声が響いた。
母の声?いや違う。彼女の声はこんなに温かくはなかった。
「先生……お疲れなんですね。」
女の声が小さな呟きに変わった。
そしてふわりと訪れる優しい香りと、肩にかかる少しの重み。
「頼まれた資料、ここに置いておきますね。」
女はそう言うと、静かに部屋を出ていくのだった。
宮田の部屋を出た芽衣は、そのままロッカー室へと向かう。
今日の勤務も無事終わり、夜勤者への引き継ぎも終わった。
着替えのため、ロッカー室に入ると、
同僚の何人かが着替えながらおしゃべりをしていた。
その中には恩田美奈の姿もある。
「芽衣さん、ご苦労様。」
美奈が芽衣に声をかけた。
彼女は美奈に同じようにして言葉をかける。
美奈は少し笑いかけたあと、再びおしゃべりに混じった。
「ところで美奈、宮田先生とはどうなのよ?」
「早く告白しなさいな。宮田先生のこと、好きなんでしょ?」
「え……うん、でも……恥ずかしいし……。」
「もぅ!!!美奈ったらじれったい!!!」