夢@Asaheim

□04
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place where one can be oneself 04


「松代で……爆発事故?」

連絡を聞いて、シンジは頭が真っ白になった。
松代にはアスカが……ミサトやリツコがいる。

(もしかして、エヴァ3号機が……?)

そう考える中、後ろから走ってきていた車が急ブレーキをかけて引き返した。
乗っている人物は碇ゲンドウ。
彼は連絡を受けてから、運転手にネルフ本部へと戻るよう命令した。
そのあとすぐ、とある人物に電話をかける。

「……はい。」

「芽衣か?今どこにいる?」

ゲンドウの質問に対し、冷静に答える芽衣。電話口から風の音がした。

「海に……第3新東京の海に来ています。お父さん、変な感じがするの。
エヴァと使徒の……。」

「芽衣、松代で爆発事故が起こった。
もしかしたらダミーシステムを使うことがあるかもしれない。
早くネルフに戻って準備しなさい。」

「分かりました。」

そこで電話が切られる。
彼はシートに背をあずけた。
松代での爆発事故。
先程芽衣の言った言葉。

「エヴァと使徒………」

小さく呟く頃、ゲンドウはネルフに帰ってきていた。
今日はレイが主催する食事会に参加するはずだった。
レイの顔とユイの顔がだぶる。

「ユイ、すまない……。」

車から降りたゲンドウは、誰にも聞こえないように小さく囁くのだった。

一方、ゲンドウからの電話を受けた芽衣は、一足先に本部へと帰ってきていた。
本部内は職員が慌ただしく走り回っている。
彼らとすれ違いながら、彼女はエレベーターに乗り、あの場所を目指す。
芽衣が唯一、エヴァと繋がれる場所へと……。

部屋のパスワードを入力し、扉が開かれる。
水槽とケーブル。きちんとたたんで置かれたプラグスーツ。
机の上に置かれたインカムを耳につけると、ネルフ職員の連絡が飛び交う。
それを聞きながら服を脱ぎ捨てプラグスーツに着替える。
水槽にLCLを注入して、一呼吸すると、芽衣は一気に水槽へと飛び込んだ。
ケーブルをプラグスーツに装着し終えるころ、碇ゲンドウの声が響いた。

「初号機を出す。ダミーシステムも一緒に搭載しろ。
何かあった時、役に立つ。」

その言葉を聞いて、芽衣は瞳を閉じた。
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