夢@Asaheim
□Love,Love,Love!
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宮田医院。
それは羽生蛇村にある唯一の病院。
いつもは平穏なこの病院なのだが、とあることをきっかけにゴタゴタしている。
その原因は……1年前に都会からやって来た看護士・黒川芽衣だった。
「芽衣さん、そろそろお昼ですよ。一緒に食べますか?」
いつもの無表情で宮田がナースステーションへとやって来る。
宮田司郎。
27歳のこの男は、宮田医院の若き院長。さらには黒川芽衣の恋人である。
当初は恋もしないような人間だったのだが、
心優しい芽衣に惹かれ、めでたく恋仲となった。
今では芽衣にぞっこんである。
「宮田先生!!!わざわざすいません。
今ちょうど休憩時間になったところだったんです。
今日も先生にお弁当作ってきたんですよ。」
芽衣はそう言って、可愛らしい風呂敷に包んだ弁当を見せた。
宮田の表情がかすかに緩む。
周りから見れば、あまり変わってないように見えるのだが……。
「それでは、院長室で食べましょうか。」
「はい」と芽衣が返事をしようとした時、鋭い声で「待った!!!」と誰かが叫ぶ。
芽衣は驚き、宮田はうんざりした顔をした。
「美奈さん……。あなたはまた、私たちの邪魔をするつもりですか?」
「宮田先生……言っときますけど、芽衣さんは先生だけのものじゃないんですよ?」
廊下の向こうから看護士の恩田美奈がツカツカと歩いて来て、
すばやく宮田の横にいた芽衣をかっさらった。