夢@Asaheim

□ある日突然戦国トリップ
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ある日突然戦国トリップ


高校2年生に上がった私は、1年の時と同じように図書委員となった。
夕方、誰もいない図書室で中の整理をする。
時間はもう6時を過ぎていて、私以外誰も残っていなかった。

制服の上着のポケットに入れた携帯が、ブブッとバイブする。
取り出してみると、ストラップとしてつけていた猫の人形と、もう一つのストラップが揺れた。

青と赤の美しい紐。

お父さんがお土産としてくれたもので、真田紐と言うらしい……。
戦国時代、お侍さんが自分の刀やらに下げてた、いわゆる昔のストラップ。
けどこの紐の柄でどこの家の人なのかが分かるらしい。
私のは……真田家の模様だ……。

「なんだ、メールか。お母さんかな……?」

携帯をスライドさせてボタンを押し、メール画面を表示した。
新着メール一件。知らないメールアドレスに、私は首を傾げた。
迷惑メールだろうかと思いながらもそれを開く。

『黒川芽衣様、戦国時代へようこそ。』

メールにはそれだけが書かれていた。
意味が分からず私は眉をひそめた。名前入りの迷惑メール……。
なんだか少し怖くなり、携帯を閉じてポケットにしまう。

「なんか怖いな。早く家に帰ろう……。」

呟きながら足を出した瞬間、私は違和感を覚える。
下を見ると、自分の足が床に埋まっていく。
まるで、ぬかるんだ地面に足を突っ込んだみたいに……。


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