長編小説部屋

□スターサイドホテルオープニングセレモニー【前夜際】
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「そろそろ…向こうもスタートした頃だろう。さあ、死のゲームの始まりだ」


いかにも楽しげな利根川はビルの向こうを見つめニヤリと笑っていた…


「…ここがあなたの会場です。確か赤木さんでよろしかったですよね」


一条は赤木を招き入れるかのように部屋のドアを開けた。部屋に入れば周りは全てテレビで囲まれていて…音はないものの…カイジの鉄骨を渡っている姿や自分のいる会場…森田が檻に入れられている姿…それを見て楽しんでいる観客達がリアルに映し出されていた


「成る程…」


赤木は画面にカイジの姿を見つけ一条のほうへと向き直りククッと笑えば四角い透明のガラスで仕切られている中央に設置されている檀上に上がった一条がニヤリと笑いかえしてきた


「別そんなつもりは微塵もありませんよ…まあ、貴方がそう思ったのらなそれも良いのでしょう。ですが私達は常に訳隔てなくお客様に接しています故に…貴方のお仲間が何をされているのか心配しないよう配慮したまでのことですから」


胸元に手を宛て…いかにも紳士気取りで得意げに話している


「俺は別に何も言ってねえぜ」


ニヤリと笑えば一条がウッという顔を見せ焦るように沼に関する説明を始めた。


「さあ、これが…今からあなたがやっていただくスーパー沼デラックス!彷徨える迷路です。ではルールを説明しましょう」


赤木も檀上に上がりその台を覗きこんだ


「この下に詰まってる球はなんだ?」


台の下を覗けばぎっしりと銀の球が詰まっていた


「それは今まで金を注ぎ込み無し得なかった者達の無念の球です」


「ほお…」


「至ってルールは簡単シンプル。貴方の腕を片方だけ固定させていただきます。そしてこの台第1の関門このアタッカーが開閉している時に球を入れそしてこの第2の関門三段クルーに繋ぎます三段クルーの一段目はただ球の通り道ですががこの2段目ここに3つの穴があります。当たりは一つだけその当たりに球が入れば3段目につながります。2つは×(ペケ)です…そしてこの3段目が重要…ここで一度球は休憩ポケットに入り休みます。ここかこの3つのボタンのどれかを押してこのはじのポケットの筒に繋げればあなたの勝ちだ。そうこの3段めはのチャンスは一回ぽっきり!!万が一間違った釦を押してこの真ん中のポケットに入ればニトロに繋がっているストックが外れ…貴方ドッカンこっぱみじんという訳です。まあ、ストックが外れるまでには90秒の有余があるのでその間恐怖感が倍増する可能性はありますけどね。…そしてこれが肝心…貴方に与えられる球の数は7500発分、これはパッキーで渡しますが…私どもの球1個4千円ですから貴方には3千万円貸し付けるという形を取らせていただきます。もし貴方が勝てば残りの球を換金し浚に5千万上乗せしてここから無事返してあげましょう。ただし負けた場合は貴方は吹っ飛びます。まあ、死が待っている訳です…ニトロは今回初めて使用するのでどのくらいの威力があるのかはまだわかりませんのでこの強化ガラスで仕切らせていただきました」


一条はクククッカカカッと高笑いをすれば椅子を引く


「さあどうぞお座り下さい。挑戦者赤木様」


黒服達が手枷を持ち後ろで待機をしている


「一億だ…」


黙って説明を聞いていた赤木が口をついた


「一億…それとあんたの腕一本だ。俺も命賭けんだ…そんくれえは安いもんだよな」


「はあ?私の腕ですか…馬鹿馬鹿しい。」


「馬鹿馬鹿しい?なら俺も命なんか賭ける必要はねえよな…一条よ…」


「会長からお電話です…」


慌てて黒服から電話を取り替えし慌てて出れば一条は体を硬直させた…


「ですが…会長……」

一方的に電話は切れ少しの間佇む一条


「どおしたよ…」


赤木が声をかければ一条は俯きながら笑い出した


「わかりました…会長からの御命令で…私も腕を賭けましょう。それと一億…貴方に支払うと会長がおっしゃられていました…」


そういい一条は檀上から降り黒い布を引っ張った。


「それと貴方に応援を用意して差し上げましたよ。」

布が剥がれれば片腕を鎖に繋がった手枷を嵌められた平井の姿が照らしだされた…


「銀二…そんな所で何してんだ」


それを見て赤木は一瞬驚くも次の瞬間フッと笑った


「おいおい…何してる…とは随分だな…お前さんにはこれが遊んでるように見えるんかい?」

平井もまたククッと笑う


「お前さんが負けたら俺もすっ飛ぶんだとよ。仕方ねえから赤木…お前さんと心中でもしてやろうと思ってな」


「ほぉ…心中ねえ…俺はやだな。こんな爺さんと心中すんのは」


「…爺さんは…お前さんのほうじゃねえか…」


平井はため息をはけば…苛立った一条が口を挟んできた


「グダグダ言ってないで早く初めなさい。」


「だとよ…銀ニ…しゃーねーからはじめっか」


ククッと笑えば赤木は椅子に腰をかけ台と向き合った…黒服が赤木の片方の腕に手枷を嵌め台から動けないように束縛しパッキーカードを渡せば…赤木はパッキーを受け取り台に入れる。じゃらじゃらという音と供に球が台にでてくれば黒服達と一条は強化ガラスの外へと出ていった


「さあ…始めなさい死のゲームを」


静寂の中緊張が誰にとなく走る…一条は強化ガラスの向こう…口隅を上げニヤリと笑いながら呟いた。


続く

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