長編小説部屋

□スターサイドホテルオープニングセレモニー【前夜際】
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カイジが落下し負けたとわかった時点で会場を後にした遠藤…外に出れば…煙草を口にくわえ夜空を見上げていた



「…やっぱ始まるか…アイツ次は生きちゃいねえだろうな…まあ、はなから期待はしちゃいねえが…」



ビルとビルの谷間青白い光りが何層にも重なりビリビリと電流を放っちながらが走り抜けている…。



「チッ…」


遠藤は舌打ちすれば部下の回した車に乗り込み車が走りだす


「アニキどうでした?回収できそうですか?」



運転席の部下が疑問に思ったことを聞いてきた


「いや、今回は無理だ。あの帝愛が絡んじゃおしまいよ…ギャンブル馬鹿達の行く末は死でしかねえだろうからな。」


後部座席で足を組み煙草をふかし煙りを吐けば…それをバックミラー越しにちらりとみた部下が慌てながらに


「そ…そうですか…(汗)」


と返してきた…軽い返事で促し…フッと笑えば煙草を灰皿に押し付け窓の外…移りゆく街並に視線を映した…。


会場では相も変わらずカイジを巡る争いが繰り広げられていた。その騒がし中…利根川がドアを開け会場へと入る。ドアに張り付いていた黒服がその人物に気付き一礼すれば騒がし佐中の黒服に耳打ちし伝えた。黒服達の道が開ける。


「何をしている。お前達」

利根川はその道を行けば赤木の行動を防ごうとしていた黒服の腕が命中しその場によろけながら倒れこんだ。


「大丈夫ですか…利根川先生」


ざわめく黒服達と会場内…即座に近寄り腕を掴み立ち上がらせようとするもその手は振り払われた


「どけ。私に触るな…この役立たずどもが…」


自分で立ち上がる利根川…即座に散らばる黒服達。利根川はその先にいる人物を見ニヤッリと笑えば赤木もニヤッと笑い返す


「すまんが、伊藤開示君をこちらにお渡しいただきたい。開示君はまだ競技の途中でね。最後までいてもらわんと契約違反と見做して返せぬ借金がまた増える一方になる」


「利根川…」


ボソリと言いながら利根川を睨みつけるカイジ


「威勢が良いのもいいが自分の立場を考えたほうが良いのではないか」


ニィーと歯を剥き出して笑っている。


その時横から赤木が口を挟む


「渡せねえな。ついでに売られた喧嘩ちゅうのはよ買ったら最後倍プシュで返すつうのが礼儀だろう。なあ、森田」


『え柏ヤ木さん…銀さんじゃなくて何で俺…』


一瞬焦り心で思うも口には出せずフッと口隅を上げ笑う森田


「確かにその通りだ」

と威勢よく言えば隣で平井が苦笑いをしていた為…え萩竄ウん言っちゃ駄目だった?と目で合図すれば平井は首を横に振っている…


ホッとしてそのまま勢いに任せ次の言葉を吐き出そうとした瞬間…いつの間にか檀上に一人の男が立っていた。マイクのエコーがキーと鳴り響けばその男が一例し話しはじめた


「皆様お騒がせして申し訳ありません。このような失態がありましたこと深くお詫び申し上げます。皆様には引き続き楽しんで頂けますよう他の会場をご用意いたしました…今後も私たちは皆様の夢を掴むお手伝いをさせて頂きたく思っております。どうぞ引き続きそちらの会場のほうでごゆるりとお楽しみ下さいませ。」


檀上の男が一例すればカイジ達を囲んでいる黒服以外の黒服達がドアを開け客を誘導してゆく…


「安さん…どうする?」


「どうするったて…ここで俺達まで捕まっちう訳にはいかねえだろうが…取りあえず俺達の顔はヤッコさんには知られてねえんだからよ…ここは大人しく他の会場に一緒にいっといたほうが賢明だろうよ」


そう言っている間にも客はその誘導に従い他の会場へといそいそと消えていく…


「そうでしょうか…?私達の…ことがばれてないとは言い切れないと思いますがねえ…」



船田が不吉なことを言い出せば二人顔を見合わせ「えΣ」と驚き船田を見つめた


「先ほどからどうしてもカメラが気になってしまって…」


カメラ…安田と巽がカメラを見れば


「すみませんが…とりあえず…私は一度あなた達とは離れます。奥様方が心配なので…また、次の会場で会えたらお会いましょう。」

船田はそう言い残し人込みにまみれて一足先に他の会場へと消えていった…


そう…船田の言った先のカメラの向こう


「ククククッ〜みんな他の会場へと移ったっ…これからが本番…あのもの達の本番ッ…!!」


兵藤はまたもカイジ達が写しだされた画面を目の前にしながらにやっ〜と笑っていた…。


「早く見たいものだっ…!!あのもの達の…恐怖に…おののく…姿がっ…」


ぐふぅ…ぐふぅ…ぐふぅふふう…締まりのない口や垂れた目いかにも妖怪じみ狂喜の沙汰とも思えるほどの口調で兵藤は言葉を継いだ……


そのころ会場では檀上の男がカイジ達の前に現れていた。その男が利根川の隣に立てば利根川が一瞬怪訝そうな顔をした…


「あ…あんた…さっきみんなの前で俺を馬鹿にした…奴…」


森田がその男に向かって指を指せば


「わたくし、カジノ全般を任されている店長の一条と申します」


胸に手を宛て律義にも丁寧に挨拶をしてくれている…そんな一条を赤木…平井は冷ややかな目で見ていた…一条は他のものは関係ないと言った口ぶりで言葉を続ける


「カイジ…おまえに選ぶ権利はないのだ。お前の道はすでに閉ざされているんだからな。ただ一つ君は俺に会えたこと…これだけが幸運…光栄に思うんはず」


そういいながらクスクス笑っている


「何が閉ざされている…だ!!…ふざけろ…まだ、道はある…あるはずだ…」


カイジが一歩前に踏み出し…興奮気味にいえば


「ええ…ありますとも2つだけ。それこそがあなたへの幸運の切符…掛け橋…開かさざるえない道」


意味不明な言葉を吐き…一条は2枚のカードをカイジ達の目の前に差し出した


ざわ……ざわざわ…ざわ…


「さあ、選びなさい…まず最初に貴方が挑むカードを…」


一条が浚にニヤッと笑い利根川がそれを横目で見ている…


「くだらねえな…」


その時カイジの後ろで見ていた赤木が口を開く

つ…づ…く…
 

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