阿雲
□生命維持装置
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果たして何が違うのだろうか。
同じ母親から生まれ、同じ年の同じ日の同じ時間に生まれたというのに。
この答えを出すのに15年かかった。
別にアイツの機嫌をとるために生きてる訳じゃない。
常識はずれな事をやるアイツを叱るためでもない。
俺は最近生きる意味を知った。
「なぁ、俺の事嫌い?」
俺の座っているベッドに寝転がって来た阿含はそんなことを聞いてきた。
「…嫌いだな」
「ショックー。俺は好き」
「そうか」
「俺の事嫌いでいいから俺の前からいなくなるなよ。」
「断る」
阿含とは違って俺の口は素直じゃないんだ。
といってもお前は欲望に忠実なだけか。
生命維持装置
(俺はお前がいないと生きていけないんだ)
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