キヨメグ幼なじみ編 長編小説
□第B話…『居場所』
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私は、一体なんなのだろう?
私が、一体なにをしたのだろう?
もう、疲れたよ…。
それは、私が小学3年生の秋だった。
その日は風の冷たい朝だった。
まだ一年生になりたての清麿と手を繋いで歩いていた。
もちろんこれが原因ではない。
ことの始まりの昼休みに起こった。
○昼休み○
「ねぇ恵。ちょっと…」
「うん?」
一番の親友である鈴屋茉莉が話しかけたことで私の人生は大きく反転した。
「…あんた愛沙になんかした?」
「え?ううん。」
愛沙とは学校一の金持ちで唯我独尊で有名はクラスメイト。
そんな彼女は学校中に派閥を作っていて敵に回すと今後の明るい学校生活を閉ざされると噂されていた。
「神城愛沙はあんたを狙ってるよ!まだ、うちのクラスには広まってないけど徐々に広がってきてる。」
「わたし…?」
寝耳に水だ。神城さんとはあまり話さないし接点もない。
じゃあ、なんで……?
「私、なにかしたかな?」
「わからないよ。でも気をつけたほうがいいよ。なにしろ愛沙は…」
唯我独尊 猪突猛進なのだから。
数日後、茉莉の警告通り徐々にクラスにも浸透し始めた。
体操着を捨てられ、机には落書き。
唯一の救いは私の親友である茉莉と智香だけは私の味方をしてくれたことだった。
でも、そんな嫌がらせでは私はピクリとも応えなかった。
それが癪にさわったのだろう。遂にはクラスで無視されるようになった。
大海恵は存在しない。そんな風に私は受け止めた。
茉莉と智香には迷惑がかかるからと学校内での接触はなるべく避けるようお願いした。
もちろん2人は食い下がったが、致し方ないのだ……。
6年生になってもいじめは止まず、遂には全校生徒にまで浸透してしまった。
茉莉と智香ともクラスは離れてしまい味方は誰もいない。
でも、彼と彼のクラスだけは違った。
そう…高嶺清麿。
清麿のクラスには神城愛沙同様派閥を持つ生徒がいたのだ。
名前は、竹内冬弥。
清麿とは無二の親友で、清麿が私と幼なじみと知ってか私の味方をするようになったという。
しかし、清麿は私がいじめられてるとは知らない。
だから休みの日に遊園地に行こうと誘ったときは一瞬嫌そうな顔をしていた。