リクエスト小説の部屋
□仁義?なき女の戦い
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それは唐突に訪れた。
「げっ!水野!」
「た、高嶺くん!……に、め、めめめ恵ちゃん!?」
たまたま恵さんと歩いているところを、これまた偶然通りかかった買い物袋を持った水野に見つかってしまった。
「ななんで高嶺くんが、恵ちゃんと一緒にっ!?」
「ああ〜…水野、これはだな…「ごめんね鈴芽ちゃん。私、清麿くんとお付き合いしてるの♪」……はい?」
恵さんさっきなんて言った?
付き合ってる……?
嫌な予感がした俺は急いで水野の方を向いた。
ああ―…やっぱり怒ってる。
水野の表情は悲しみと怒りの交じった、ドロドロした二時間ドラマの女優のような表情をしていた。
「…………恵ちゃん。」
「なにかな?」
あぁ―…恵さん面白がってるよ。
「わ……わたしと……私と清麿くんを賭けて勝負よっ!」
ややこしいことになってきた……。
「………で、俺の家で料理対決…と?」
「うん!私だってお料理だったら恵ちゃんに負けないんだから!」
包丁さばき……はな?
こりゃ結果は見えたな…。
「じゃあ始めるぞ―。よーいスタート。」
ちなみに何故か賭けの対象になっている俺が審判。
本当に…面倒くさい。
さて、どうやらお互い料理が完成したようだ。
えっ?展開が早いって?
それは料理に関して味噌汁しか作れない作者に言って欲しいな。
さて、水野のは……
「なぁ…水野」
「な、なに!?」
俺は眼前にあるカラフルすぎる料理に後ずさりしながら聞いた。
「これは一体…」
「て、定食よ!ほら、よくあるじゃない!1つのお皿に色とりどりの料理が盛ってある…」
いや、定食って普通は野菜とか肉をバランスよくしたものだよな?
なのになんで牛 鳥 豚がいっぺんに盛ってあるんだよ!
「いや、あの…」
「食べて」
「だから…」
「いいから食べて!」
「は、はいぃ!」
水野の気迫に圧された俺は急いでそのカラフルな料理に箸をつけた。
さようなら 俺……
パクリ
モグモグ………
「あれ、美味い…。」
「ほ、本当?!」
俺の味覚がおかしくなったのか?
見た目はカラフルでゴチャゴチャしてるが味は、いたって美味しい…。