キリ番小説(全統一)

□大海恵のスキャンダル
1ページ/8ページ



パシャパシャ…

パシャ…

目の前で焚かれるカメラのフラッシュ。
そして突きつけられる無数のマイクとボイスレコーダー。

アイドルになってからほぼ毎日のようにこんな光景当たり前だったけど、今日は違う。

そう、ある噂が流れたのだ。

それは…{私とトップアイドルグループの一人との恋仲}。

つまりスキャンダルだ。


ただ、これは根っからのガセネタ。

それが大きく広がったのには理由があった。


それは数週間前…。私との恋仲が噂されているトップアイドルが口からでまかせを公共の電波を通して世間に広めたのだ。

もちろん清麿くんもその番組は見ていた。

そして…それ以来清麿くんとは連絡が取れていない……。







…数週間前…

『さあ!この問題の答えは!』
ピンポン!

『…スコップ?』

ブブー!


ワハハハ――!


それは誰もが知る老若男女問わず人気のあるクイズ番組。

清麿はこんな馬鹿な回答は嫌いなのだが、ガッシュが観たいとせがんできたため仕方なく観ていた。



そして番組終了間近、司会者がトップアイドルを呼ぶと視聴者に向かって言った。


『えぇ…今日こいつから大事な話があるようです。』

司会者に手招きされ、カメラの中央に寄り一つ咳払いをした。
そして…。


『最近、僕と大海恵さんとの恋仲が噂されていますが、事実です。清い交際をさせていただいております。』


おお―!

観客がどよめく。

テレビ画面には時間が押しているのかスタッフロールが流れる。

『そんで、結婚はするのか?』
司会者が煽る。

共演者もそれに乗り口笛や拍手で煽る。

『そうですね。お互いの事務所はオーケーが出てるんで、それに…そういうお話はしています。』


おお―!


『それでは、また来週―!』

時間が来たのか司会者が仕切り番組が切り替わった。



そして…。


ガシャン!

「ヌッ?」

ガッシュが後ろを振り向くとさっきまでくつろいでいた清麿の姿はなく代わりに床に割れた湯のみが無残にも散らばっていた…。






清麿は自室に戻るとまずパソコンの電源を入れ、恵の所属する事務所サイトにアクセスした。

すると…
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ