キリ番小説(全統一)

□大海恵のスキャンダル
6ページ/8ページ


「はい。そしてこれは私の芸能界の裏側に最も詳しい知り合いの方がくれた情報なのですが、今宮さんの所属する事務所と私の所属する事務所が今回の件に絡んでいるという情報です。」
キャスターやコメンテーターが動揺している。
それでもはやし立てたりしないのは杉さんの言う通りなのかな。

「私の所属する事務所は経営難に陥っています。そして今宮さんの所属する事務所は安泰、そこで双方の事務所が手を組み、アイドル同士の恋愛で経営難脱出を図ろうとしています。マスコミの皆様、目先のことばかりではなくこういったことも視野に入れてください。」

ここで、次のセリフで杉さんの言った通りになるか否かが決まる…。

「最後に私は現在お付き合いしている方がいます。」

スタジオ内が更にどよめく。

それもそうだ。こんなビッグニュースを1人占め出来るんだもの。

「本日、その彼をここに呼んでおります。」

私は清麿の方をみた。
清麿くんはカメラマンに促されるとゆっくりと歩きだし、私の横に立った。

「高嶺、清麿です。」

緊張してるのかな?いつもの清麿くんらしくない口調だった。
「彼とは去年から清いお付き合いをさせて頂いております。…アイドルが恋愛なんて御法度と私も事務所側に言われて来ましたが今回ばかりは我慢なりませんでした。……ですから今回の今宮さんとのスキャンダルは全くの嘘です!」


シーンと辺りが包まれる。

カメラマンは私と清麿くんのみを映し、コメンテーターは私の意外な行動にあ然としている。

「さ、さて皆さん。トップアイドル今宮と大海恵の恋仲は全くの嘘という報告でした。ありがとうございます。」

なんとか我に帰ったキャスターが場を締めくくった。


これで…これで全てが終わっちゃった…。










翌日。

各テレビ局、各新聞は一面私と清麿くんの話題だった。

今宮さんは無期限の活動休止。
両事務所も無期限の活動休止に追いやられた。

もちろん事務所に所属する私も無期限の活動休止。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ