キリ番小説(全統一)

□大海恵のスキャンダル
5ページ/8ページ



「…なぁ、今宮があの発言した時隣には恵おったか?」

「いえ…。」

杉さんはおもむろに携帯電話を取り出しいじりだすと画面上に円グラフが現れた。

「これは今宮が発言した翌日のネットアンケートの結果や。赤が疑いで青が認める。どや、どっちが多い?」

どっちが多い?ってそれは…

「圧倒的に赤です…。」

確かに円グラフはほぼ赤で埋まっていた…。

「しかもコメントの多くが“信じられない”や“怪しい”がほとんどや。つまり、今宮は世間的にみても信用度が低いんよ。そこで恵の登場!恵の人気は絶大かつ信用度が高いからな。」
「なるほど…。」

ここで清麿くんが感嘆の声が上がる。

「……わかりました。信じます。」

こうなった以上他に手はない。私は杉さんの案に乗るしかなかった。








某テレビ局。

二時間のニュース番組は予定通り始まった。

私がゲスト出演するのは番組終了十分前。

次第に私の緊張はピークに達していた…。

そして…



『……以上、本日の動き。でした。…………さぁ、本日は素晴らしいゲストをお呼びしております!ただいまアイドル界のトップを走る大海恵さんです!』
キャスターに呼ばれ私はスタジオに入った。

清麿くんはカメラマンの側に待機。


時間というものはいい加減で楽しい時やこういった一大事の時に限って時間の流れを早く感じる。

私はふと清麿くんをみた。

清麿くんは優しい表情で私を見ていた。
すると先ほどまで緊張していたはずなのにスゥッと解けた。

やっぱり清麿くんはすごいよ…。

『えぇと、そろそろ時間ですが、本日は恵さんから何かあるようです。』

キャスターは『どうぞ』と言うとカメラが一気にこちらに向く。

「……先日、私にとってとても遺憾な出来事がありました。それは…現在私と恋仲が噂されている今宮さんの発言です。」

私は一つ深呼吸をする。

「私と今宮さんは何一つ接点がありません。共演もプライベートでも会ったことのない方と恋仲…まして結婚といったことに発展しますでしょうか?」

『つまり、今宮さんの発言は事実無根だということですか?』
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ