キリ番小説(全統一)

□大海恵のスキャンダル
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{大海恵とトップアイドル今宮の交際は事実でございます。}

と書かれていた…。


「そんな、バカな…。」

清麿は静かにパソコンの電源を落とすと元栓ごと抜いた。

そう完全なるシャットアウトだ。

清麿は携帯電話を持っていない。故に恵との連絡手段は家電かパソコンのテレビ電話しかない。



「あんなに…あの告白は嘘だったのか…?」

三日前、清麿は恵に呼ばれ、告白された。

もちろん愛の告白だ。

お互い抱き合いキスもした。

それがたったの三日で壊されてしまっては立ち直れない。
清麿は傷心のままベッドに突っ伏した。












…一週間後…


恵は焚かれる無数のフラッシュのなか無言で事務所の車の用意した車に乗った。


『恵さん今宮のあの発言は事実ですか!?』

『恵ちゃん答えて!』

『今宮はきちんと報告してあなたはなんもしないんですか!』

罵声のごとく質問が投げかけられるが恵は答えない。


車がゆっくり走りだすと報道陣も後ずさりした。






車は公道をスムーズに走る。

運転手は私がデビューしたての頃からの人名前は{杉陽一}さん。年は今年で還暦の私からすれば優しいおじいちゃんなのだ。

今回の騒動に関して唯一信頼できる味方。



「恵、大変なことになってしもうたな。」

ふと杉さんが心配そうな声で聞いてきた。

杉さんは関西の人だから関西弁なんだけど私は杉さんの関西弁は落ち着く。

「………重要な話があるんやけど……ええかな。」

「あっ、はい。」

「今回の一件…どうやら双方の事務所がつるんでるみたいやで。」

「……えっ!?事務所が…?」

「うちの事務所のホームページは見たか?」

「いえ…。」

「そこにパソコンあるし見てみ。」

私は隣に置いてあったパソコンを立ち上げると事務所のサイトにアクセスした。


「………えっ?」

私は目を疑った。

だって、社長は私のことを護ってあげると…嘘を証明してくれると言ってくれたのに…。

「……まぁ、これは私自らあるツテ使うて見つけだした話やねんど……恵、うちの事務所はこのスキャンダルを使うて大もうけしようとしとるで。」

「大…もうけ?」
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