キリ番小説(全統一)

□indirectly kiss
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太陽がサンサンと照りつける8月。

日本全国で記録的猛暑を続ける中、モチノキ町でもここ数日35℃を越す日が続いていた。




「暑いねぇ」

「ああ、次の仕事まで時間があるから涼もう。」

「うん♪」


夏休みということで高校生になった清麿はひょんなことから恵のマネージャーというバイトをしていた。


「あと、はい冷たいお茶。水分補給はちゃんとしないとな。」

モチノキ町を紹介するという番組のロケの休憩時間、清麿は暑さを避ける場所を探しているとちょうどよく大木の木陰を見つけた。


「あれ?清麿くんのお茶は?」
ペットボトルのお茶を一口含むと清麿の手にスケジュール帳しかないことに気づいた。


「俺はさっきスタッフさんから水を貰ったから大丈夫だよ。恵さんは体が資本なんだから火照った体を冷まさないと。」


明るく振る舞う清麿だが、実は恵にあげたお茶は自腹で自分の飲み物を買うお金がなかったのだ。


しかし、自分はマネージャーとしてじっとしているだけ。
恵みたいに常に動き回ってるわけじゃないから、と自分に言い聞かせていた。


「……………」

そんなことを聞いて何か閃いたのか恵はペットボトルをじ〜っと見つめると小さくうなり始めた。


「ど、どうした?もしかして暑さにやられたのか?」

突然の恵の行動に慌てる清麿。
すると恵は突然ペットボトルから清麿へと目線を移すとお茶の入った突き出した。


「マネージャーも体が資本だよ。清麿くんに倒れられたら仕事出来ないよ。だから飲んで♪」

「し、しかし…//」

それは間接キス…。という言葉を呑み込み赤面する清麿。

するとそんな態度にふてくされたのか恵はぶすっとした。


「そうなんだ…私の飲みかけのお茶なんて飲めないのね…。」
もちろん演技なのだがそれに引っ掛かるのが清麿。


「わ、わかった//飲むから!」
恵からお茶を受けとるとグイッとお茶を飲んだ。


「あっ!間接キスだね♪」

「グゥフ!!」

なんとか吹き堪えたが、あえて伏せていたワードをさらっと言われた清麿は更に赤面してしまった。


「恋人同士なんだし間接キスぐらいいいじゃない♪」

「い、いや//なんか直接するより恥ずかしいな///」


「じゃあ私も飲もうっと!」
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