キヨメグ小説B

□もう一つの原因
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朝。

カーテンの隙間から朝陽が差し込み1日の始まりを告げる。

清麿は朝陽の眩しさに目を覚まし辺りを見渡した。


「……ん…?ここは………ああ、そうか…」

昨日は恵さんの看病に来たんだったと思い出す清麿。

脳が覚醒していくにつれて側で眠る恵に気づいた。


「良かった…。だいぶ落ち着いたみたいだな。」

恵の顔色は昨晩より幾分良くなっており荒かった息も落ち着きを取り戻していた。


ガッシュとティオも幸せそうに寝てやがる。

「……とりあえず起きるか…」

よくよく考えてみると俺、恵さんと同じ布団で寝てたんだよな…。

いくら恵さんの頼みだからといってこれ以上は理性がどうなるかわかったものじゃない。

極力物音をたてずにそーっと………


ゴソゴソ…………グッ…!



「……んっ……んぅ…」


あ、あれ!?足が動かな…い!
というより…


め、恵さんの両脚が絡みついてる!?


「………きよ…まろく…ん?」

「あ、ああ…そうだよ。」

昨日は看病で必至だったから気づかなかったけど、恵さんの寝起き顔って可愛いな…。

…ってイカンイカン。


「具合はどうだ?」

「うん、だいぶ良くなったみたい。」

「そうか。」

「…清麿くん。」

「うん?」

「…清麿くん温かったよ?ありがとう。」

「うっ…///」

営業スマイルでなく恵さん本来の笑顔が向けられる。

「そ、そうだ!今日は俺も学校が休みなんだ。だから、安心して1日ゆっくり休んでよ。」


いつの間にか解かれた足を布団から出し、布団から這い出た俺は気を紛らすためにカーテンを開ける。


眩い光が室内に漏れ込み、脳が一気に覚醒する。

「恵さんはまだ寝ててくれ。ちょっとコンビニで朝食を買ってくるよ。」

昨晩は台所を使ったが、二度も人様の台所を使用するのは躊躇してしまう。

それに少し頭を冷やしたいからな。


「じゃあちょっと行ってくる「行かないで」……え?」

部屋を出ようとした矢先、弱々しい恵さんの声に進めていた歩みを止めた。

「お願いだから…行かないで…見捨てないで…」

「恵…さん?」

「もう嫌な仕事も引き受けるから…。私の仕事をなくさないで…。」

「恵さん!」
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