キヨメグ小説B

□初めての共同生活A
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「ここに来るのも久しぶりだな…。」

あの日以来全く変わっていないモチノキ遊園地を見て清麿はふと呟く。

「今度は前以上に楽しまないとね♪」

「ああ、そうだな。」

きっと…いや、楽しもう。


「清麿!清麿!ジェットコースターに乗りましょ!」

「ウヌウ…まだ懲りぬのか?」
「な・ん・で・す・って〜?」
ガッシュの発言(無意識)にカチンときたティオは思いっきり首を絞める。


まぁ、いつも通りの光景なのだが、よく2人の表情を見てみると、ティオは絞めながらも可愛らしい笑顔を浮かべ、ガッシュも苦しいはずなのに、どこか嬉しそうな表情をしていた。


「うん、いいな…。」

「どうしたの?」

「こういう光景もたまにはいいなって思って。」

「ふふっ♪今日は私たち家族なんだから、いっぱいサービスしてよね、パ・パ?」

「なっ…///」

恵の口から発せられた「パパ」という単語に清麿は完熟トマトのように顔を真っ赤にする。


忘れていたわけではない。
今朝のガッシュとティオの家族発言はそのときだけだと思っていたのだ。


しかも、今日は日曜日。
辺りを見渡すとどこもかしこも家族連ればかりであった。


つまり、いまの清麿たちは端から見れば家族も同然。

清麿の脳内はまさにパニック寸前だった。

「よ……よし!め、恵!///」

「え!?あ…はい!///」

こうなりゃヤケだ!


清麿は恵を呼び捨てにし、家族という設定を全うしてやろうと決意したのだ。

もちろん呼ばれた恵も釣られて返事をする。


「今日1日は何があっても、俺が父で恵が母だ。」

「う、うん!」

「ガッシュ―!ティオー!」


「なんなのだー」

「どうしたのー?」

こうなればガッシュとティオにも説明する。

家族発言をした張本人なのだから賛成はしてくれるだろうとは思っていたが、


「ヌ?わたしは初めからそう思っていたぞ?」

「なに言ってるの、2人とも?」


と、あっけらかんとした表情で返されてしまった。

















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「きやぁぁぁ!」
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