キリ番小説(全統一)
□氷上のカップル
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「スケートかぁ〜」
冬も本格的になり街には色とりどりのイルミネーションが飾りつけられ始めたある日曜日。
清麿と恵は学校の帰り道で新規オープンしたスケート場のチラシを見つけた。
「ね!今度の日曜日スケートに行かない?」
「う〜ん。」
スケートと聞くと、前にガッシュたちと行った時の悪夢が蘇るな。
でも、今回は恵さんとだし大丈夫だろう。
「いいよ。行こう。」
「ほんと?」
「ああ、でも恵さんスケート出来るのか?」
「ふふ〜ん♪ひ・み・つ♪」
「なんだよ、それ」
○日曜日 モチノキスケートリンク○
新規オープン後初の日曜日とあってかスケートリンクには老若男女問わず沢山の人でごった返していた。
俺と恵さんは係員にスケートシューズを借り、比較的人の少ないエリアに向かい、シューズを履いた。
「こんなので立てるのだから不思議だよな。」
前回(悪夢)のときは立つことすら手こずっていたのだが、さすがにあの時さんざん転けてしまったお陰かすんなりとリンク上に立つことが出来た。
というより、リンク広すぎだな。
「ち、ちょっと待って清麿くん!」
広いリンクに感嘆の声を上げているとリンク近くの手すりにつかまったまま動かない恵さんが弱々しい声で呼んだ。
「どうしたんだ?」
「い、いいから、こっちに来てっ!」
はぁ〜〜。なるほど、滑れないんだな。
「もしかして、初めてなのか?」
「っ!//そ、そんなわけないじゃない!わ、私が滑れないとか、あ、ありえない!」
口調がティオになってますよ、恵さん…。
「わかりましたから、手すりから手を離して俺のところまで来てみてください。」
「む、むりだよ!」
「じゃあ…」
そう言うと俺は両手を広げ恵さんを受け入れる体勢を作る。
……恋仲になってからというもの大胆になってるな、俺。
「!!///」
でも、恵さんにとって俺の行動は正解だったようだ。
「どうするんだ?来るのか?来ないのか?」
いつもは立場が違うだけに主導権を握ると楽しい!
当の恵さんはというと顔を真っ赤に染めながら、ウゥ…と可愛いく呻いていた。
「なぁ、恵さん」
「な、なに?」
「その…、これからも一緒にいろんな場所に行かないか?」