STORYS

□護衛者『交渉』
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筧家殺人事件―…

潤覚えがある‥。

確か、女の人が一人殺されていた気がした。


「筧家では、今次期社長争いの真っ最中なのです。そして、我が息子達の孫が争っているのです。」


「争‥いですか?」


「えぇ。長男の和人の息子の亜希飛、そして次男の佑人の息子の翔(ショウ)の二人です。」


「それで、一人殺されたのですか?」


「えぇ。結局証拠不十分で彼は釈放されましたが‥。」

彼?


「え?犯人ってわかっているのですか?」


ニュースでは、犯人は捕まっていなかった。


「ええ。申すことは出来ませんけど。」


「ですが、どうして私を?」


「身内の者は疑いたくないのですが、貴方を亜希飛の友達として招き護衛して欲しいのです。」


「と‥友達ですか?」


「えぇ。ただ、亜希飛は女の方は慣れていなくて申し訳ありませんが、男装をして友達になって欲しいのです。」


は?


男装??ならば、男の人に頼めばいいじゃない?


ただ私は、彼の一言一言に驚かされるばかりで、もっていたコーヒーはなかなか飲めなかった。

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