満月
□自信家な猫…?
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“菊丸先〜輩!チョコ貰ってください!”
「ホイホ〜イ!ありがと。」
「…はぁ、バレンタインかぁ…。」
部活が終わってレギュラー達が部室に戻る中、黄色い声援と共に渡されてるチョコを横目で見ながら片付けをしていた。
「ねぇ?マネジャーはチョコ渡さないの?」
爽やかに笑いながら重そうな紙袋を持ち不二が話しかけた。
「不二…渡すも何もそんなにあるんだからいいじゃん今さら何を…」
「違うよ…英二に告白しないの?」
「英二にはいるじゃん…いつもお昼一緒の彼女」
少し恨めしげに不二を睨めば何か言いたげに後ろを指差す
「何よ、不二?あ、あれって…」
菊丸の彼女だと思ってた子は大石にチョコを渡してる
「にやはは…大石のヤツ照れ屋だからにゃ〜。」
いつの間にか後ろに来た菊丸が頭の後で手を組み大石を見てニヤニヤ笑ってる
「英二…本命から貰えたのかい?」
ワザとらしく聞く不二にチラッとこちらを見てから菊丸が残念そうに
「それがさぁ…聞いてよ!不二!隣の席なのに…まだくれないんだよ!」
「えッ…?隣の席って…?えぇ〜私ぃ?」
菊丸の爆弾発言にビックリする私をよそに不二は涼しい顔で私の肩を叩いき耳元で囁くと部室に消えて行った。
「ほら…ね?早くしちゃいなよ?こ・く・は・く。暫くみんな部室から出さないから…じゃ!英二お先に。」
真っ赤になってる私に菊丸が顔を覗き込んで軽く頬にキスして
「マネジャーの本命チョコは俺だよね?」
…夕日に負けない位に赤くなった私はうつ向いてそっとチョコを差し出しました。