バ ト テ ニ
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06.殺すことが正しいのか、殺されることが正しいのか
いろんな人に出会った。
その度、俺は救われた。
侑士。宍戸。跡部。
いいやつばかり。
でも、皆死んだ。
それぞれ、いろんな言葉を言い残して死んだ。
侑士。
『どんなことがあっても、生き延びや。例え、自分の手を血に染めることになってもや。』
宍戸。
『人の命奪っての幸せなんてねぇよ。殺すなんて最低だ。それだけはすんなよ。』
跡部。
『いつでも、自分が正しいと思ったことを貫け、いいな。』
3人からそれぞれ、正反対の言葉をもらったけれど。
俺はそのときどれが正しいかなんて解らなかった。
3人にそれぞれ守ってもらったおかげか、俺はさした危険にさらされることもなく、ゲームを生き延びていった。
6時間毎に流れる放送でたくさんの名前が流れた。
クラスメイトの名前、目にかけていた準レギュラーの名前、名前と顔が一致しないやつの名前・・・
それだけ、沢山の血が流れたということなのだろう。
どんどん生存者が減っていく・・・最終的に1人に減らすために。
生存者が減っていくにつれ、俺の恐怖は増大した。
生き延びれば生き延びるほどに、死ぬのが怖くなる。
何度も夢であればと願い目を閉じた。
けれどそれは眠りとも呼べない浅い休息を呼んだだけだった。