バ ト テ ニ
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だが、次第にジャッカルへの怒りも感じていた。
「アイツ・・・いやなら最初からそういえばいいだろぃ・・・・」
いやといえないところがジャッカルらしいのだろうが、今の俺はそんなところにまで怒りを感じていた。
そうだ、もうあんな酷いジャッカルなんて知らねぇ。
さっさと死んじまえばいいんだ。
どろどろとした気持ちとは裏腹に透明な涙は止まらなかった。
「死亡者発表です。」
そんな俺をあざ笑うかのようなタイミングで放送が鳴り響いた。
俺は鼻をすすると、黙ってスピーカーをにらみつけた。
「おや?今回は少ないですね・・まあ残り人数から考えてもしょうがないことなんでしょうか。死亡者一名、ジャッカル桑原くん。」
・・・・?
ジャッカル?
今ジャッカルっていったのか?
まさか・・・俺がアイツと別れたのはほんの数分前で・・・・・・・
!!!!!!
脳裏に巡ったある考えで頭が埋め尽くされた。
我ながら大した想像力だと思う。
だけどその想像は願わくば外れていてほしい。
そんなの、困る。
俺は、間違っていたってのか?
理由が、ほしい。
俺のしたことを正当化する理由が。
走って、さっきジャッカルと別れた位置へ着くと、そこにはジャッカルの死体が横たわっていた。
目は大きく見開き、胸から血が流れ出している。
傷口から見ておそらく銃でやられたんだろう。
ジャッカルは何かを握り締めていた。
その何かを見た瞬間、俺はさっきの予想が的中していたことに気づいた。