バ ト テ ニ

□03
2ページ/3ページ



あー……まじ。





俺こんな顔してたのかよ…。







自分の顔ながらショックを受けた。




俺の本能は一体何をしでかしたのだろう。






これほどまでに醜い人間の顔を俺は今まで見たことがない。







ショックを受けながらも俺は手を洗えば何か報われる気がしたから、手を洗う作業を続行することにした。






両腕のジャージをまくると両手は、いや、両手のひらから肘にかけたところあたりか…までは、どす黒い血の色に染まっている。








うっわきたねぇ。





血ってこんなに黒いのかよ…。








少々ショックを受けつつも、俺は湖に手を浸した。



綺麗な湖に俺の汚い腕が吸い込まれていく。






湖には申し訳ないが、俺は湖の中で両手を擦り合わせた。












……







周りにちゃぷちゃぷという水音だけが響く。




………









取れねー!








こびりついた黒い血は洗ってもなかなか落ちない。



なかなか取れない血を見ていると腹が立ってくる。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ