バ ト テ ニ

□08
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08.笑って、笑って、いつか笑顔で会えるように







ゲームが始まって、不安で不安で仕方なかったとき、アイツを見つけた。

ディバックを軽々担いで、まるで危機感なしに歩いている。危なっかしくてしょうがねぇ。

俺はその後姿を見た瞬間、迷わずアイツに近寄ることを決めた。

自分でも危ない行為だと思うけど、アイツは絶対ゲームに乗ったりしないやつだと思っていたから。

アイツは、馬鹿がつくくらいにお人よしで、いつも貧乏くじばっか引かされてたようなやつだけど、俺の親友で大事なパートナーだったから。

アイツの姿を見つけたとき、何故かこのゲームが怖くなくなった。

いつもの天才的な俺で居られた。





「よっ!」

明るく声をかけ、肩をたたくとアイツ・・ジャッカルはかなり驚いた。



「うわっ・・・なんだ、ブン太か。」

「何だってことはないだろぃ。せっかく声かけてやったのに。」

「お前なあ・・・普通なら殺されるぞ。」



ジャッカルはあきれて俺を見た。

こんなやりとりもいつもの光景で。

いつもと変わらないジャッカルに安心した。



「無理だろぃ?ジャッカルには。」

「はは・・どうかな。」



ジャッカルはいつもみたいに優しく笑った。

俺はジャッカルのこの笑顔が結構好きだったりする。

少し苦笑の混じったような笑顔だけど、なんかあったかくて心地よくなるから。

本人には絶対言ってやんねぇけど。





俺たちは森の中を歩いた。



こんなゲームの真っ只中だというのに、ジャッカルがいるというだけで全然怖くなかった。

いつものように他愛のない会話をした。

ほとんどずっと俺が喋ってて、ジャッカルは相槌程度か会釈を返すくらいだったけど、俺は安心しきって話していた。

ずっとジャッカルの方をろくに見ずに、ただ夢中に。

だから、ジャッカルの表情の変化にも気づけないでいた・・・・・。
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